婦人保護施設における「ソシオエステティック」の可能性
婦人保護施設とは
婦人保護施設をご存知ですか?
もともとは売春防止法により、売春を行う恐れのある女性を収容保護する施設でした。
しかし、現在では、家庭環境の破錠や生活の困窮など様々な事情により社会生活を営むうえで困難な問題を抱えている女性も保護の対象です。
また、最近では、DV防止法により、家族やパートナーによるDVにより入所される方も増えています。
わたしはDV被害者の支援をしたいという想いから日本エステティック協会が主催するソシオエステティック養成講座を受講し、現在、婦人保護施設でソシオエステティックのインターンシップをさせていただいています。
婦人保護施設でのソシオエステティック
ソシオエステティックとは、社会的に困難を抱えていらっしゃる方を癒し、励まし、QOL(生活の質)を高めるためのエステティックです。
そのため、エステティックの施術はアプローチのための手段にすぎません。
婦人保護施設では、主に困難を克服して社会復帰される方を支援していきます。
ソシオエステティックの内容は、フェイシャルケア、メイク、ハンドケア、ネイル、フットケアの中から、その対象者に合った施術を選択いたします。
売春や性被害を受けられた方は、自分を汚い存在だと感じたり、自分を大切にしなくなる傾向が強いと報告されています。
また、DV被害を受けられた方は、うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)など様々な心身への影響が報告されています。
自己肯定感が低くなり、自分に自信が持てなくなったり、主体性がなくなったりするケースが多く見られます。
そのため、スキンケアなどでお肌のお手入れをすれば「大切にされている」と感じることができたり、女性としての尊厳を取り戻すことができるのではないか
メイクでその方のキレイを引き出せば、自己イメージを高め自信を取り戻したり、前向きな気持ちになることができるのではないかと考えています。
ソシオエステティックの効果
実際に、母子生活支援施設でソシオエステティシャンが日常的に身だしなみを整えるのがむずかしい状態にある女性にフェイシャルを定期的に行ったところ、清潔に保つことの心地よさに気づき、身だしなみに気を配るようになり、ついには社会復帰ができたという報告もあります。
その他、ソシオエステティックにはこんな効果が期待できると考えています。
・笑顔になる
・前向きになる
・女性性を取り戻す
・女性の尊厳を取り戻す
・自己イメージを高める
・自己肯定感を高める
・自信を取り戻す
など‥
初めは、施設のスタッフの方々も「エステがどうやってQOL(生活の質)を高めることができるのだろう?」と半信半疑だったかもしれません。
また、ご利用者様も「無料でエステのサービスが受けられる。」ぐらいにしか思っていらっしゃらなかったかもしれません。
しかし、ソシオエステティックが何をするのか、そしてどのような効果があるのか認知され始めたのを感じています。
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