「ソシオエステティック」のタッチングの特徴について

やさしくさするのがソシオエステティック流


ソシオエステティックには決まったテクニックがあるわけではありません。

浮腫んだ脚やこわばった手など体の痛いところや気になるところをオイルやクリームなどを使用して、やさしくさすったり、撫でたり、手で包み込んだりします。

病気の方やご高齢の方は皮膚がもろく、敏感になっているため、余分な力を入れずに肌の上で力を抜いて手の平全体をピタッと密着させて包み込むようにゆっくりと触ります。

密着させると接地面が広いため、手のぬくもりを感じることができ、安心できます。

マッサージの基本は「手当」だとよく言いますが、まさにその感覚に一番近いタッチングがソシオエステティックだと思います。

タッチング(触れるケア)は、心地よさや不安の緩和につながるオキシトシン(別名愛情ホルモン)の分泌が促されることで知られています。


筋肉、血液、リンパを意識しない


「対面モデラージュ」の実習で映像で見た第一印象はリンパドレナージュの手技に似ているということでした。

ソフトで密着している点や利用者の呼吸に合わせてゆっくりな点は共通しています。
しかし、決定的に違う点は、リンパドレナージュはリンパを排出するのを目的にしているのに対して、ソシオエステティックのタッチングはQOL(生活の質)向上のための手段であり、目的ではない点です。

フットケアの実習の時に、いつもの癖で筋肉に沿って施術していたら、講師の先生から
「筋肉を意識しない!」
と、注意を受けました。

なぜなら、筋肉を解すことを目的にしている訳ではないからです。
しかし、頭では分かっていても、初めはなかなかそれが出来ず、凝っている箇所を解したり、リンパの詰まりを流したくなったりしていました。


心と体に触れるタッチング


病院での現場実習に行ってみてわかったことですが、常に患者様の表情から目を離すことなく、お声がけしながら施術します。

些細なことで病状が変化するかもしれないため、常に変化を観察しながら患者様が心地良さを感じているのを確認します。

現場に入る前はソシオエステティックのタッチングができるのか不安でしたが、目の前に病気で苦しんでいらっしゃる患者様を目にしたら、すぐに近くに寄り添い、自然と手を差し伸べ、冷たく拘縮した手に触れていました。

すると
「すごーい、あったかーい、申し訳ない」
と、おっしゃいました。

始め患者様は怖がって手をギュッと握ったままでした。
しかし、無理に施術することなく、それを手で包み込んでお声がけをしていたら、次第に手を開いて、最後は手の平も触らせてくださいました。

この時、初めて心が通じた気がしました。

ソシオエステティックの最大の特徴は、「傾聴をともなった美容ケア」という点です。
タッチングを通して、体だけでなく心にまで触れることを目的にしています。

ソシオアシス

SOSIOASIS(ソシオアシス)はフランス語で社会を表すSOCIO(ソシオ)とOASIS(オアシス)を合わせた造語です。 社会の困難や厳しい状況の中での安らぎや安息の場所でありたいという意味が込められています。

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