わかりにくい「ソシオエステティシャン」の仕事を説明
そもそもソシオエステティックとは?
エステティックというと、若い女性がよりキレイになるために受けるものと思っていませんか?
あるいは、痩身や脱毛などの機械を使った美容サービスのイメージがあるかもしれません。
ソシオエステティックが目指すのは、「その人が一番笑顔になれる方法」です。
例えば、病院での治療で脱毛して恥ずかしいと思っている方には、眉を描いたり、爪が傷んで悲しんでいる方にはネイルケアをします。
緩和ケア病棟で、脚が腫れてだるい方に、脚をやさしくさすって「気持ちいい」「心地いい」と感じていただくこともそうです。
あるいは、「自信を取り戻す方法」でもあります。
例えば、婦人保護施設でDVによって自信をなくしている方に、エステティックの技術を通して「大切にされている」「自分らしさを尊重してもらえた」と思っていただくこともそうです。
現在、医療や福祉の現場でも、エステティックの施術が取り入れられ注目されています。
その中でも、ソシオエステティックは人道的・福祉的観点から、精神的・肉体的・社会的な困難を抱えている人に対し、医療や福祉の知識に基づいて行う総合的なエステティックです。
エステティックの施術によって、人を癒し、励まし、QOL(生活の質)を向上し、その人が、本来の自分を取り戻すために支援することを目的としています。
ソシオエステティシャンは何をするのか?
ソシオエステティックの施術は着衣のまま行う部分ケアで、フェイシャルケア、ハンドケア、フットケア、マニキュア、メイクの中からその対象者に合った施術を選択します。
感染予防のために、道具は使い捨ての不織布、コットン、綿棒などを使います。
時間は、一日に何人も周るため、お一人、20分から30分程度です。
場所も、エステルームではなく、車椅子に座ったまま、背中の丸くなったご利用者様や、病室のベッドで寝たきりで体が硬直した患者様などに、屈んだり、手を伸ばしたり、狭い場所に入り込んで施術したりします。
(高級老人ホームなどエステルームが用意される場合もあります。)
そのため、どんな姿勢にも耐えられるような柔軟で丈夫な身体でなくてはなりません。
サロンで、自分の身長に合わせた高さのベッドで全身の施術をする方が、いかに楽かと思います。
限られた条件でする「引き算の施術」
肉体的、精神的に困難を抱えていらっしゃる方が対象のため、常に肌の様子や体調を確認しながら施術します。
無理に施術をせず、途中で施術をやめることもあります。
また、対象者の気持ちに寄り添って、手をさすりながらお話を伺うだけということもあります。
ソシオエステティシャンを目指すエステティシャンは、いろんな技術を修得していてやろうと思えばどんな素晴らしいサービスも出来ます。
しかし、限られた時間と場所の中でご利用者様に最適な美容ケアをご提供するため、ソシオエステティックは「引き算の施術」だと言われています。
まだまだ、ソシオエステティシャンになるには時間がかかりそうです。
ソシオエステティックは奥が深いと感じる今日この頃です。
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